診断基準が難しいうつ病【精神的な安定を手に入れよう】

看護師

素早い診断と治療のために

早い段階での受診

落ち込み

現代のストレス社会の中には心を病む人が増えています。その中でも近年うつ病と診断される人が少なくありません。うつ病とは、簡単に言えば、日常に生じる優うつ感が社会生活に支障をきたすほどの病的な状態になる事をいいます。しかし、精神疾患であるうつ病はその症状が病的であるのか、多忙な日々であれば単なる疲れによるものかなど、なかなか区別がつかないため周囲も本人も病気であると気づきにくく、受診が遅れることも多くあります。そして、うつ病の中にも、優うつなどの精神症状より、倦怠感や自律神経系の異常などの身体症状が前面に出る仮面うつなどの症状もある為、うつではなく他の疾患を疑って他科を受診するケースもあるのです。精神の不調だけでなく、長引く体調不良の際にもうつ病を疑って専門医を受診してみることが回復への近道になる事があります。このように、なかなか自覚や発見の難しいうつ病には、なるべく早い段階で専門医にかかり適切な診断や治療を受けることが大切です。うつ病の診断には専用の評価スケール等が用いられています。

命を守るために

専門医によるうつ病の診断基準にはいくつかの項目があります。WHOなどで明確な診断基準が示されています。具体的には、抑うつ気分または興味または喜びの消失があり、さらに食欲減退や体重の増減、不眠あるいは睡眠過多などの睡眠障害や気力の減退や罪責感など細かな項目に5つ以上あてはまる場合をうつ病とするという世界的にも共通の診断基準が設けられています。また、症状だけでなくそれらがほぼ毎日持続している期間が2週間以上あること、などその期間についても具体的に明記されています。精神疾患は他の疾患とは違い、明らかに異常が目に見えて診断できる病態ではないため、症状によっては医師にもその診断を迷わせることがあります。しかし、うつ病は病状が進むと急激に悪化し最悪の自殺などで命を失う危険もある病であり、診断を迷っている時間はありません。このような病気の性質からしても、明確な診断基準が確立されており、それに沿って診断治療ができることは、医療者にとっても大変重要なことだと言えます。